
毎日使うキッチンは見た目もオシャレで、かつ使いやすくて、値段も手頃なものがいいですよね。しかし、その全て満たすものは少ないです。もし、あなたがキッチンのリフォームを考えているなら、キッチンカウンター選びは一番重要です。
なぜなら、キッチン全体のイメージや印象が大きく変わりますし、長年使い続けるものなので、絶対に失敗ができません。
キッチンカウンターは素材や種類、特徴をしっかり調べてから選びましょう。
今回はキッチンカウンター選びで失敗しないコツや素材、特徴を詳しく紹介します。
まずはキッチンカウンターの特徴を知り、自分に合う素材は何かを考えましょう。キッチンカウンターでよく使われる素材は5種類あります。
①ステンレス キッチンカウンターの万能選手として挙げられるのがステンレスです。耐水性、耐久性、耐熱性のどれも優れており、毎日のお掃除もしやすい素材です。キッチンでは主に、エンボスやステンレスらしい光沢のあるヘアライン、マットな質感で傷が目立ちにくいバイブレーションなどの仕上げ方法があります。
②人工・人造大理石
人工大理石と人造大理石は名前が似ていますが、大きな違いがあります。まず、人工大理石はアクリル樹脂やポリエステル樹脂が主な成分です。
一般的にアクリル系人工大理石はポリエステル系に比べ、耐水性・耐熱性・加工性が高く、シームレス溶接が可能な為、天板を分割してもつなぎ目を目立たなく接着することができます。メーカーによっては曲げ加工ができる商品もあります。
また、色・柄ともに豊富なバリエーションがあり、インテリア性の高い素材です。ただし、メーカーによりその品質、性能が異なりますので、商品を選択する場合注意が必要です。
一方、人造大理石は天然の大理石を砕いて、セメントや樹脂で固めて作られます。天然大理石が含まれているものが人造大理石で、含まれていないものが人工大理石です。
③セラミック
セラミックはガラスや焼き物のように高熱によって成形されているので、熱に強く、熱い鍋やフライパンをそのまま置いたとしても、変色などがないほど耐熱性に優れています。また、表面は硬く、たとえ金属などでこすっても傷がつきにくいのも特徴です。傷だけでなく汚れにも強いため、調味料などをこぼしたとしても染み込みにくいのです。
キッチンの他、外壁や内装の壁や床、バスルーム等にも使用されています。色・柄ともに単色系、天然石調、インダストリアル調と多くのバリエーションが増えています。また、質感も、マットなものが多かったのですが、鏡面仕上げのものや表面に凹凸のある仕上げのものも出てきています。
④クオーツ
クオーツとは人造大理石の仲間で、粉砕した水晶を樹脂で固めたものです。主成分の水晶の含有率が高いため、天然石に近い質感がありながら、天然石より加工がしやすい素材です。触ったときに天然石のようにひんやりしているのはその為です。
また、機能性にも優れており、硬度が高いので傷がつきにくく、耐久性と衛生面に優れた素材です。色・柄ともに、天然石調の美しい仕上りのものからコンクリート調のものまで非常に多くのバリエーションが取り揃えられています。
⑤天然石
天然石は自然の味わいや高級感を感じる質感が人気の素材です。模様が1つ1つ異なるため、自分だけのカウンターにすることができます。
キッチンの天板には御影石が多く使われます。御影石は水に強く、汚れがしみ込みにくく、他の石材に比べ硬く傷つきにくい石です。
この他にもパンのこね台として使われる大理石は、表面にピンホールという小さな穴があいています。その穴に汚れがしみ込んだり、酸性の洗剤の使用ができなかったり、御影石に比べると柔らかく、長年の使用でかけてきたりすることがあります。
天然石の場合、人工でつくられた天板とは異なり、同じキッチンで使用すると言えども、その石のメリット・デメリットを把握して石を選定する必要があります。
続いては、それぞれの素材のメリットとデメリットを見ていきましょう。
①ステンレスのメリットとデメリット
ステンレスのメリットは、耐水性、耐久性、耐熱性に優れ、掃除がしやすいことです。また、デザイン性もあるためシックなインテリアに合います。ステンレス製のシンクにした場合、天板と一体溶接ができるので清掃性は格段に良くなります。
デメリットは、細かい傷がつきやすいことですが、傷が目立ちにくいバイブレーション仕上げを選ぶ事もでき、小さな傷であれば研磨により目立たなくさせる事は可能です。ただし、へこみについては補修できない場合があります。
②人工大理石のメリットとデメリット
人工大理石のメリットは、デザイン性・インテリア性です。豊富なカラーとデザインの商品があり、アクリル系の人工大理石は加工がしやすく、デザインの幅も広がります。
また、セラミックやクオーツに比べコストを押さえてキッチンを製作することができます。
デメリットは色や柄によっては、熱やシミで変色してしまうことや、年月とともに黄ばんでくることもあり、傷がつきやすいことが挙げられます。
ただし、アクリル系の人工大理石の場合、専門業者により傷やひび割れを補修できる可能性があります。
③セラミックのメリットとデメリット セラミックのメリットは耐熱性に優れ、汚れや傷がつきにくいでことです。機能性に問題はないのですが、それだけに高額になることがデメリットになります。素材が硬い為、高い加工技術が必要で、かつ重さがあるので運搬の人件費も大きくなり、価格が高くなりやすいです。また、キッチンの大きさや形状によってはつなぎ目が出てきたり、硬い素材のため食器をぶつけると割れる可能性が高いです。
④クオーツのメリットとデメリット
クォーツストーンのメリットは傷がつきにくく、汚れにくいことです。デメリットは汚れをためこむとお手入れに工夫が必要になります。通常は水拭きや中性洗剤を含んだ布で拭くだけで問題ないですが、放置した汚れや水垢にはクリームクレンザーを使ってやさしく、こすらずにお手入れをするようにしましょう。また、キッチンの大きさや形状によってはつなぎ目が出てきたり、硬い素材のため食器をぶつけると割れる可能性が高いです。
⑤天然石メリットとデメリット
天然石のメリットは本物の質感と世界に一つだけの石材の模様を楽しめることです。人工の素材とは異なる高級感があります。
デメリットは、天然素材のため色や柄が均一ではないので、実物とイメージが異なる場合があることです。
コスト面では、輸入品の場合や、重量物のため搬入や施工費が高額になるため注意が必要です。合わせて輸入する場合は納期の確認も必要です。
形状面では、キッチンの天板の大きさに制限がでたり、形状によってはつなぎ目が出たりすることがあります。こちらも硬い素材のため、食器をぶつけるとわれる可能性が高いです。また、定期的なメンテナンスが必要な場合があります。
キッチンカウンターの素材の特徴に関して紹介してきましたが、一長一短があるので、ますます選ぶのが難しくなってしまったかもしれませんね。
そこで別の判断軸として、「キッチンを使うのは誰か、どれくらいの頻度で使いたいのか」を考慮して選ぶのも一つです。忙しくてキッチンにあまり立たない方ならデザイン性を重視してもいいでしょうし、毎日調理をする方なら、汚れがつきづらく、お手入れがしやすい方がいいでしょう。
以下に基本的な性能をまとめますので、キッチンカウンター選びの参考になさってください。
①耐水性
耐水力のある素材で、錆びづらい素材を選ぶことをおすすめします。
たいていの場合、キッチンの天板には耐水性のある素材が選ばれていると思いますが、注意すべき点は天板の分割面のつなぎ目の処理です。ここから水や汚れが浸透すると、天板だけでなく、キッチン本体までダメージを受けます。
その為、なるべく分割せずに製作できる素材や大きさを選ぶことをおすすめします。搬入に問題が無ければ、ステンレスは溶接で一体化でき、アクリル系の大理石は現場でつなぎ目をシーム溶接によりつなぐことができます。
②耐熱性
熱による変色や変形しない素材がおすすめです。セラミックは、高温のフライパンや鍋を直接おいても問題ないと言われる素材です。ステンレスも非常に耐熱性の高い素材で、かつセラミックよりコストを押さえて製作することができます。
③耐汚性
毎日お料理をされる方は特に、汚れや臭いがしみ込みづらく、落ちやすい素材を選びましょう。セラミックやクオーツは非常に硬い素材なので、傷がつきにくく、汚れもしみ込みにくい為、耐汚性が高い素材です。
また、ステンレスも医療系、飲食店の厨房にも使用されているように非常に耐汚性が高い素材です。
④耐久性 キッチンは長年使い続けるものなので、見た目やデザイン性と合わせて、丈夫で長持ちする素材を選ぶことが大切です。
⑤メンテナンス性
傷やひび割れ、へこみなどの補修ができる素材か事前に確認しましょう。また、汚れが落ちやすく、お手入れが簡単な素材であっても、メンテンナンスが必要なものがあります。
例えば、木製の天板の場合、数年毎にコーティングの塗り直しが必要な素材などもあるため、メンテナンス性も考慮して素材を選びましょう。
見た目やデザインも重要ですが、キッチンとの付き合いは何年も続きますので、すぐに決めることなく、時間をかけて検討していきましょう。
また、予算も関わってきますので、何を一番に優先するかを決めて選択しましょう。コスト面と機能のバランスが優れている素材としてステンレスはおすすめですが、ワークトップ以外にもステンレスにする場合は高額になりまので、キッチン全体のリフォームを考えて検討するのが良いでしょう。